あなただけが知っている小さな魔法
誰にも明かせない言葉と
やわらかな光が心を包む
過ぎ去りし日の午後が
ほのかな甘い匂いをまとってよみがえる
ページをめくるたび
あの笑顔がそっと揺らいでいる
弾む鼓動とこぼれる笑み
名前を呼ばれるだけで空が高くなる
はじまりの季節の物語
真白な雪に足跡で描くふたりだけの物語
静寂の中で、ぬくもりの色が灯されてゆく
指先に収まる小さな箱庭に
こぼれ落ちそうな思い出をそっと並べて
時間さえ息をひそめる、小さなせかい
壁に残った空白が、今もあなたの輪郭を映す
触れられない面影を、静かに抱きしめた夜
まだ見ぬ空を目指す羽
自由の痛みと期待を胸に
風の名を探して旅立つ
あなたと私のあいだにある
言葉にならない静かな海
視線が交わるたび
波がほのかにきらめく
夢の奥で手をつなぎ、同じ景色を歩く
目覚めても頬に残る、やわらかな月明かり
気づけば通り抜けていく春の風
告げられなかった想いを運び、遠くへと
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